アリスは気になって男の後を追った。
男は必要以上に辺りをきょろきょろしている。
不審者・・・?
でも、舞踏会は招待状がなければ出られないし・・。
キラッ・・!
「!!」
男はポケットから小さなナイフを取り出した。
やっぱり・・!あの男!!!!
「・・・エド!」
「・・アリス様、いかが致しましたか?」
アリスは息を切らしエドの元へ走った。
「・・・シドは?!」
「きゃーーーー!!!!」
女性の悲鳴声がホールに響き渡った。
振り返ると、先ほどの男が夫人を人質にとり首元にナイフを近づけた。
「・・・アリス様!」
エドはアリスの前に出た。
しまった・・・!遅かった・・・!
「・・・下がれ!!」
男は周りの人達に剣を向けた。
「・・アリス!!」
シドもアリスの元へ駆けつけた。
男は夫人を捕まえたままゆっくりと窓の前まで歩いた。
「・・・何が目的だ!!」
兵が駆けつけ男を囲った。
「・・ふっ。」
「・・きゃぁぁぁっ!!!」
バリリィンッ!!!
男は夫人の腕を切りつけると、女の体を突き放し窓を破って外に逃げた。
「追え!!」
シドの声に兵たちは男の後を追った。



