Christmas Rose



その夜、大広間で盛大な舞踏会が開かれていた。


アリスは豪華なドレスに着替え、シドの隣で招いた客人達に挨拶していた。


「・・ふぅ。」


挨拶が一通り済んだ時、シドは小さくため息を吐いた。


「・・・大丈夫?」


アリスはシドを見上げた。


「・・ああ。大丈夫だ。」


少し前からまた帰りが遅いシド。


何かあったのかな・・・・?


「・アリス、少し外すぞ。エド、頼む。」


「かしこまりました」


ルイが大臣たちの所へ行ってしまうと、アリスはふぅっと大きく息を吐いた。


それにしても、すごい招待客の数。。

アリスはホールをぐるりと見渡した。


「何か飲み物を持ってまいります」

そう言ってエドはその場を離れた。



ドンっ


「・・・っ?」


アリスの横を通り過ぎようとした男の肩が腕に当たった。


「・・!す、すみません」


「いえ・・・」


キラッ・・・!


慌てて通り過ぎようとする男の腰に何か光るものが見えた。

男は不自然に辺りをキョロキョロとしながら、人混みに紛れて行った。


今のは・・・・?