「…マルヴィナ様。何か良いことでもございましたか?」 マルヴィナの侍女アンがグラスにぶどう酒を注ぎながら問いかけた。 「…ふふ。いくら剣を振り回していたからとて所詮は女。これからが楽しみだこと。」 マルヴィナは笑みをこぼしながらぶどう酒を飲み干した。 「しかし、シド様が黙っていないのでは?」 「…今、城下では正体の分からぬ者達が町民たちに危害を加えているとか。暫くはその者達の調査に追われるだろう」 マルヴィナは不敵な笑みを零した。