その夜、部屋で本を読んでいるとシドが帰ってきた。
「…お疲れ様です。」
「…お茶会に出たんだって?」
シドは上着を脱ぎながら振り返った。
「ええ。ルイ様というお方もいらしてました。」
「…ルイが?」
シドは少し驚いたような声を出した。
「…珍しいな。ルイがお茶会に出るなんて。」
トントン
すると、部屋のドアがノックされた。
「…シド様、宜しいでしょうか。」
外からシドの側近の声が聞こえてきた。
何か言伝を聞くと、深刻そうな顔をするシド。
「すまないアリス。先に休んでてくれ。」
「…分かりました。」



