振り返ると、漆黒の髪と瞳が印象的な可愛らしい女の人が立っていた。
「…お茶を。」
派手な装飾のティーカップとカップケーキをアリスの前に置いた。
「ありがとうございます。。あの、お名前は?」
女の人はカップケーキをパクパクと頬張った。
「…アデラです。まだ社交界の事はよく分からなくて、馴染めていないんですよね。」
カップケーキ、クッキー、マシュマロとアデラは次々に口へ放り込む。
華奢な身体の何処へそんなに入っていくのか。。
「…貴族って言っても、下級なんで。こういう場では食べることに専念してます。あなたのお名前は?あまりサロンではお見かけしませんね。」
アリスもお茶を一口飲んだ。
「アリスと申します。」
そう言うと、アデラはお菓子に伸ばす手を止めた。
「…アリス様…?え、アリス様?!」
アデラは立ち上がり深々と頭を下げた。
「ももも申し訳ありません!私、アリス様だとは知らず…!」
慌てるアデラにアリスは首を横に振った。



