「……んっ」
すると、シドもゆっくりと目を覚ました。
横になったまま、手で優しくアリスの頬を撫でた。
「…おはよう。」
「お、おはよう…」
どうしよう、上手く言葉が出てこない…
シドも起き上がると、アリスをじっと見つめた。
そして、細い指でアリスの唇をなぞった。
アリスはぎゅっと目を瞑った。
「…アリス様、お目覚めになっても…」
すると、そこへ侍女が起こしに入って来た。
「…も、申し訳有りません!!!」
ベッドの上で向かい合うジルとアリスを見て、侍女は驚き慌てて部屋を出て行った。
アリスもびっくりして、出て行った侍女の後を呆然と見つめた。
「……ははっ、」
シドはアリスから離れると笑った。
そしてベッドから降り、窓を開けて青々と気持ちのいい空を眺めた。
「こんなに爽快な朝に不向きなことだったな。」
シドの言葉にアリスの頬は赤く染まった。
「…からかわないで下さい。。」
そう言ってベッドから降り、部屋を出た。
廊下に出ると、アリスは胸に手を当てた。
今までに感じたことのない気持ち。。



