「叔母上、本当にお久しぶりです。」
「…本当に久しぶりですね。王の事を聞いて駆けつけてきました。先程王室へ行きましたが、大分良くなったようで安心しました。」
シドはとても嬉しそうにシャーリーンと話をしている。
こんな風に無邪気に話すシドをアリスは初めて見たような気がした。
「…今から他の王族たちへ挨拶してきます。シド、今夜アリス様と共に私の部屋に来なさい。」
そう言って、シャーリーンは部屋を後にした。
「…叔母上に会うのは10年以上ぶりになる。」
シドは懐かしむように呟いた。
「…とてもお綺麗で、聡明なお方ですね。」
アリスはうっとりとした表情で言った。
「綺麗だけじゃなく、すげーパワルフだしな。」
ランスは腕を組み昔を思い返しながら言った。
「ああ。叔母上は頭も良く、政治にも詳しかった。幼い頃は病気がちだった父上に変わり、一時国王候補になった程だ。」
シドの話にアリスは顔を上げた。
「…我が国は女性が王になる事は認められていない。結局、叔母上は他国へ嫁ぐことになったが、王としての素質はあった。アリスと似た境遇だな。」
シドの言葉にアリスも頷いた。
自分と似たような人生を歩んできた人がこんなに近くにいたなんて…



