Christmas Rose


バタバタバタ…


「…父上!」


その頃、王室に町から戻ったシドとゼノが駆けつけた。


国王は呼吸も落ち着き眠ったままのようだ。

「本日発作を起こされ気を失われましたが、薬が効いたようで今は安定しています。」

医者の言葉にシドはホッと胸を撫で下ろした。


「……っ、」

すると、王の指が微かに動いた。


「…!王様、王様!!」


ゼノの呼びかけに、王はゆっくりと瞳を開けた。

王は辺りを見渡すと、大きく息を吐いた。


「……シド。」

シドが目に入ると、王は名前を呟いた。