軍服に血がポタポタと染みを作っていく中、レイドは表情を歪めながら笑みを浮かべた。
「……っ、」
リエルは正気に戻り、両手を口に当てた。
マグが駆け寄り、素早くレイドの傷を布で覆った。
「…マグ、大事にするな…私より先に、リエルを…」
アリスは呆然と立ち尽くすリエルを部屋の中へ入れた。
そして、膝をつき左手を抑えるレイドを見た。
「…マグ、騒ぎ立てず医者を呼んでレイド様の治療を。リエル様は私に任せるんだ。」
マグは頷いて、レイドと供に部屋を出た。
フッ……
レイドが去ると気が抜けたのか、リエルは気を失った。



