部屋に入ると、机の上に置いてある薬袋に目が止まった。
アリスの視線に気がついたリエルは薬を取ると箱の中へしまった。
「…私には母国の薬が合うようで。。キース様が持ってきて下さいました。」
キース様がわざわざ…?
「…申し訳ありません。今日はこの後王妃様に呼ばれておりまして…」
アリスはリエルの部屋を出た。
結局、何も話せなかった。
どうしてキース様がわざわざ会いに来ているのか。
あの夜、二人は話し合い別れたはず…
部屋に戻る途中、シドの姿を見つけた。
「シド!」
駆け寄ると、ゼノと何処かへ出掛けるようだ。
「…今日、もう一度協会へ行ってくる。レイドの本当の父親の可能性が高い神父と話をしてくる。」
「気をつけね。」
シドはアリスの頭をポンポンと撫でると、ゼノと共に城を出て行った。



