「キース様がどうして・・・」
<他国へ視察に行かなければなりません・・・>
確かそう言っていたのに…。
記録を見ると、ここ最近頻繁にリエルへ謁見を申し出ているようだ。
「一昨日から三日間毎日、リエル様に謁見なさっているので気になって…。彼は確かリエル様の婚約者だった方ですよね?そのことを知っているのはこの王宮内にはごくわずかですが…」
アリスはマグの言葉に記録票をじっと見つめた。
―翌朝、アリスは朝食を済ませるとリエルの部屋へ向かった。
西の塔はアリスの部屋からは離れているため、こちらの塔に来るのは初めてだった。
リエルの召使にリエルとの面会を願い出た。
「…申し訳ありません。。今はキース様と謁見中でして。。」
こんな時間から…。
「そうですか。ではまた・・。」
ギィ…
すると、リエルの部屋のドアが開いた。
中からキースが出てきた。
キースはアリスを見ると驚いたような顔をした。
「・・・アリス様?」
キースの後ろから、リエルが出てきた。
「すみません。リエル様にお話があったのですが謁見中だど…」
「申し訳ありません。もう済みましたので、さぁどうぞ」
リエルに言われ、アリスは部屋へと入った。
キースは何も言わずに頭を下げ行ってしまった。



