Christmas Rose

振り返ると、ブラウンの腰まで伸びた髪が美しい、13,4歳くらいの少女の姿が。



「・・申し訳・・・アリス様?」


少女は顔を上げると、驚いた声を出した。



「申し訳ありません・・!」


「・・大丈夫です。顔を上げて下さい。」

少女は大きな青色の瞳をアリスに向けた。


「・・初めてお会いしますよね?お名前は?」


「スコルから参りました。リエルと申します」


リエルは丁寧にお辞儀をした。



「宜しくね。」


リエルはやっと少しだけ笑みを見せた。


「・・本当に失礼いたしました。ではこれで。。」


急いでいるのか、ドレスを翻すとその場を去って行ってしまった。


スコルって、あのキース様と同じ国・・・。




「・・皆さま急な夜会によくお集まり頂きました」



舞踏会も中盤し差し掛かったころ、ホールの中心に国王が出てきた。

隣には王妃の姿も。


「・・えー、見ての通りずっと休養をしていた我が妻で王妃のエレーナが王宮へ戻りました。」


王の言葉にエレーナは一歩前に出た。


「・・休養していたということにしたのか。」


そんな様子を見ながらシドが呟いた。


「・・皆さまには大変ご心配お掛けいたしました。そして本日はもう一つ皆さまにお知らせしたいことがあります。」


知らせたいこと・・?

王妃は隣に立っていたレイドの肩に手を寄せた。


「・・私のもう一人の息子、レイドとスコル国のリエル様の婚約が成立いたしました」


王妃の言葉に、招待客達から歓声が上がった。


「・・スコル国の・・・」


リエルって、さっきぶつかった・・。


「・・母上、何を考えているんだ・・」


アリスはシドを見上げた。

シドも知らなかったんだ・・。


そんない急に、どうして・・?