「…初めまして。キースと申します。」
アリスの手を取ると、ゆっくりと手の甲へキスをした。
隣にいたシドはその光景を見て眉間にシワを寄せた。
「は、初めまして……」
キースは金色の瞳でじっとアリスを見つめた。
そして柔らかく微笑むと、その場を去って行った。
「…キザな奴だな。。」
シドは腕を組み去って行くキースの後ろ姿を睨み付けた。
そして、アリスを自分の方へ引き寄せた。
「…アリス。今日は俺から離れるな。」
「…う、うん…?」
それにしてもキース様の人気はすごい。
あっちこっちで歓声が上がってるんだもん。
そんなに人気がある人なんだ…
でも舞踏会嫌いって聞いたけど…
どうして今日急に開かれたこの舞踏会へ参加したんだろうか。
ドンッー!
「…っ、」
「…す、すみません。」



