Christmas Rose



その夜、珍しくシドが早く部屋へ戻ってきた。


最近のシドはいつもにまして仕事に没頭していた。

一ヶ月間城を空けていて公務が溜まっているのだが、それにしても・・



ここ数日のシドの働きっぷりで一か月分の穴は埋められそうだとマグが話していた。




「・・おかえりっ・・・」



帰るや否や、シドはアリスの腕を引き強引に抱きしめた。



「ちょっ、、シド・・?!」


シドは何も言わずに、しばらくアリスを抱きしめた。


シド・・・?


部屋に二人きり。。


少し空いた窓から冷たい風が吹き込んだ。


暫くすると、シドはゆっくりと身体を離した。


その表情は、いつものように優しい笑顔だが、どこか酷く疲れたようだった。



「・・ごめん。また、仕事に戻るよ。」


そう言うと、部屋を出て言った。



やっぱり、王妃様が戻られてからシドは様子がおかしい・・。



アリスは机に向かうと、羊皮紙を出してある人物に宛て手紙を書き始めた。