「・・初めまして、アリス様」
アデラ達と別れると、アリスは庭に出ていたレイドの所へ向かった。
「・・それは新種のバラです。」
庭園に広がるバラを前に、アリスはそっと新種にバラに触れた。
「綺麗ですね・・」
レイドはどこか悲しそうな瞳でバラを見つめた。
レイド様・・・・?
そういえば、ここに来る前はどこで暮らしていたんだろう・・。
王妃様は城を出てから行方が分からないって言っていたし・・。
「アリス様はアステル国出身と聞きました。美しい国ですよね。」
「アステルを知っているんですか??」
レイドは優しく微笑んだ。
「・・私、本当はアステルの王になるはずだったんです。。」
「・・王・・?」
レイドは不思議そうな顔をした。
「・・ええ。女が王になるなんて普通はありえない事ですが、男がいない王家に変わり、私は男のように生きてきました。最初はここでの生活も戸惑いばかりでしたが、最近はようやく慣れてきました。」
アリスはレイドを見て微笑んだ。
「レイド様も、何か困ったことがあったら、何でも言って下さいね」
「・・ありがとうございます。。」
そんな二人の様子を、少し離れたところからエレーナが複雑そうな表情で見つめていた。



