「…呼び出してすまなかったな。」
国王は王室へシドとアリス。それにゼノやエドも呼び集めた。
「初めての者も多かろう。私の妻、エレーナとその息子のレイドだ。」
国王の言葉に二人は頭を下げた。
「…エレーナは西の棟へ入るように。
それからレイドには爵位の位を与え、シドの補佐役として公務に携わってもらう。」
エレーナは、アリスの前にやってくると優しく微笑んだ。
「初めまして。エレーナと申します。訳あって暫く城を離れておりましたが、これからはよろしくお願いしますね。」
美しく気品溢れるエレーナ。
西の棟は以前マルヴィナがいた部屋だ。
アリスやシドの部屋からは遠く離れている
。
国王はシドに気を遣い、西の棟へ入るようにしたのか…
「…話はこれで終わりだ。」
皆が部屋を出て行くと、王は立ち上がり窓の外を眺めた。
。
「…宜しいのですか。陛下。」
後ろに立つゼノが言った。
「…エレーナとレイドか。今更追い返すわけにもいかんだろう。」
「恐れながら、王妃様は一度城を去った身。他の貴族からの反応はよくありません。」
淡々と言うゼノに王は思わず笑みをこぼした。
「相変わらずハッキリ言ってくれる。わしは、エレーナに罪滅ぼしをしたいのかもししれない。。」
国王は、深いため息をついた。



