「…エレーナ様が?!」
マグは持っていた資料を床に落とした。
「…そんな…国王様は?!」
「い、今…王室で話してる。。あの、シドの母上って…」
「・・私もアシア様から聞いたことですが・・・」
―19年前―
「・・おぎゃあ!おぎゃあ!」
朝の日差しが差し込む中、新しい命が誕生した。
「・・おめでとうございます!元気な男の子でございます!!」
エレーナは手を伸ばし、我が子を抱いた。
「・・可愛い。。私の赤ちゃん。」
元気に泣く自分の子に、エレーナは涙を流した。
「・・エレーナ様。」
すると、メイドの一人がシドを抱き上げた。
「・・私がミルクをあげるわ・・」
「・・でも、乳母の仕事ですから。。」
そういってシドを抱き上げると連れて行かれてしまった。
「・・・シド。。私のシド・・」
エレーナはシーツを握りしめた。



