「シド…どうしたの…?」
様子のおかしいシドにアリスは問いかけた。
身体が小刻みに震えているようだ。
「…シド、外してもいいぞ。」
「いえ、大丈夫です。」
暫くすると、兵と共に一人の女性が現れた。女性の隣には、アリスと同い年くらいの男性がいる。
女性はブラウンの髪と同じ色の瞳。
その美しい容姿にアリスは思わず息を飲んだ。
隣の男性もすらっと高い背に、女性と同じブラウンの髪と瞳。
国王の前に来ると二人は深く頭を下げた。
「…お久しぶりでございます。国王陛下。」
「エレーナ…」
アリスはシドを見ると、女性から目を逸らし拳を握りしめていた。
「…どうして今頃…」
「…申し訳ございませんでした。。ここへ戻ってくるべきではない事は分かっています。でも、どうしてもお伝えしたい事があります…」
エレーナの隣に立つ男性が王の前に出た。
「…レイドと申します。」
「…ここを去った後に生まれました。この子は国王様のお子でございます。」
エレーナの言葉に王は言葉を失った。



