「…さぁ、少し早いが前祝いだ。」

国王はワインセラーからボトルを出した。
グラスに注ぐとシドとアリスに差し出した。


「では、新しいギルティ国に…」

コンコン


グラスを交わそうとした時、ドアがノックされた。


「…失礼します。た、大変でございます!」

兵が一人、息を切らして入ってきた。


「…何事じゃ。」

アリスとシドも慌てる兵を見た。



「…エ、エレーナ様がお見えでございます!!!」



…ガシャン…!


シドは兵の言葉にグラスを床に落とした。
ガラスの破片が飛び散り、アリスのドレスの裾もワインで赤く染まった。


「なんじゃと…?!エレーナが…」

国王も立ち上がった。

聞いたことのない名前にアリスはキョトンとした。


「…国王様にお目通りを申しておられます…」


兵の言葉に国王は暫く黙り込んだ。


「…通すのじゃ。。」