「俺のデートで楽しくないデートなんかないから。」

「ふぅん、えらい自信ね。ハルカが楽しめたんならよかったわ。」

「ハルカちゃんてさ、お前と仲がいいからお前と同類かと思ってたけど全然違うんだな。」

「は?」

「思いっきり女子って感じ。まっすぐに俺の目見てさ、俺の言う話一生懸命聞いてくれてさ、久しぶりにキタ-!って思ったよ。」

キタ-!か。

そりゃよかった。

私と違っててよかったわよ。

「大事にしてよね、ハルカのこと。」

「うん、そうだな。前向きに付き合ってみるかな。」

「え?もうそこまで決断してるの?あんたにしては珍しい。」

いつもなかなか煮え切らないカイトを見ていただけに本当に珍しいと思う。

確かにハルカはかわいいし、とっても性格もいいしね。

間違いない子だと思うよ。

こりゃ、本当にトントン進んでいくかもしれないな。

喜ばしいことなんだけど、ふと寂しい気持ちがした。

「ところで、お前はシュンキとどうだった?いい奴だろ?」

「そうだね。とてもいい人だったわ。シュンキも一生懸命私の話聞いてくれて、私も思わず色々しゃべっちゃった。」

「何しゃべったのさ。私のおならはバズーカ-みたいな音が出ます、とか?」

「ほんと、あんたって品のないことばっか言うのね。そんなんじゃないわよ。昔付き合ってた彼氏の話とかね。」

「・・・ナオトのこと?」

亡くなった彼の名前はナオトと言った。

「そっか。シュンキはナオトの話聞いてどうだった?」

「真面目に聞いてくれたよ。とっても優しかった。」

「ふうん。お前と唯一ドラマの話が合う奇妙な奴だったな。ナオト。」

「うるさいわね。」

「でも、いい奴だった。」

「うん。」

今日はナオトの話が多いな。何なんだろ?

ナオト、私に何か言いたいことあるのかな?