「よっ!」

そのイケメンの背後から顔を出したのは紛れもないカイトだった。

カイトの顔を見て、我に返る。

「ちょ、ちょっと何なのよ?」

イケメンに軽く会釈をして、カイトをにらみつけた。

「おお~、怖い顔。お前、眉毛くらい描いとけよ。」

な?!

しまったー!ノーメイクじゃん~。

慌てて、眉毛を両手で隠した。

「ほら、先週言ってた俺の親友。昨晩一緒に飲んでてそのままうちに泊まったからさ。丁度いいと思って連れてきたってわけ。」

嘘でしょ。

このイケメンが例のカイトの親友?!

その親友さんは、申し訳なさそうな顔で頭をペコリと下げた。

「こんな朝早くに、僕も止めとけって言ったんですけど、いつもこの時間にはスタンバイオッケーだって、無理矢理連れて来られて。」

何がスタンバイオッケーよ!

それはドラマを見るスタンバイなのよ!

誰かと会うためのスタンバイオッケーじゃないの!

心の中で怒りが爆発していた。

紹介する相手をこんなシチュエーションで出会わせる??

しかもノーメイクなんだから!

カイトは親友さんの後ろでおかしそうに笑っている。

「ドラマみたいにうまくはいかないっての。身をもって体験させてやったわけよ。」

「ひどい!」

あまりの無神経さに、そのまま玄関の扉を閉めようとした。

だけど、申し訳なさそうに立ちつくしているその親友さんには何の罪もない・・・。

しかもイケメンだし。

深呼吸して、無理矢理笑顔を作った。

「カイトはどうでもいいですけど、お連れの方には申し訳ないので、狭苦しい部屋ですけどよかったらどうぞ。」

片手で眉毛を押さえたまま入るよう促した。