ピンポーン ピンポーン

玄関のチャイムがけたたましく鳴っている。

「こんな朝っぱらから、ったく。」

テレビのリモコンを一時停止にして、インターフォンに出た。

「はい。」

無味乾燥。

「俺、俺、おはようさん!」

よくもこんな朝からでっかい声だせるわ。

まだとかしてしてない髪をくしゃくしゃとしながら、玄関にゆっくり向かう。

扉を開けると、いつものあいつが「ニカーッ」と笑って立っていた。

「おじゃましまっす。」

そう言うと、私を押しのけてズカズカと我が家に入って行った。

そして、私の特等席であるテレビ前のソファーにどかっと座りやがった。

一体何様なんだろ。

「あんたさ、今、何時だと思ってんの?」

そう言いながら、湯沸かし器のスイッチをオンにした。

「えーと、朝の9時頃かなぁ。おや、丁度朝ご飯の時間じゃないっすか。俺もうお腹ぺこぺこ。」

「ほんと、あんたって奴は。トーストしかないけどいい?」

「何でも食べますよー。」

なんて調子のいい。

奴は、立花 海斗 35歳。

会社の同期だ。

もうお近づきになってからかれこれ10年来の付き合い。

住んでる場所がたまたま近所ということもあって、いつの間にかこんな関係になっている。

っていっても、全く色気もくそもない単なる男友達なんだけどね。