鹿はあまりの痛さに悲鳴を上げた。 シェリーは弓矢を捨てて、鹿の傷に手を添(そ)え、大きな声で呪文を唱えた。 「森の精霊よ...罪無き鹿を助けたまえ。このシェリー・エルシア・デア・マグダウェルの名によって、この儚い命を救いだす......」 するとシェリーの手から、白に近い黄色の小さな光が輝きだした。 鹿の傷はその光に包まれ、少しずつ治ってきた。 光が消えると、鹿は元気に立ち上がった。