そして気づけばもう、下校時間だった。 「りり、あんたうち来る? あっ、そうだ、春祭り、今年も行こうよー、浴衣着る?」 「浴衣なんて無理だよ…着せてくれないよ」 「お母さんがやってくれるよ」 「そんな…、お世話にばっかなれないから…」 「いいよ、平気だから!」 桃のお母さんにはとても良くしてもらってる。 だからこれ以上世話になんてなれない。 いつも迷惑かけてる。 お母さんの親友だからってそんなに頼れない。