「リリ。

あんたこんどある合唱コンクールの話だけど……」


「あっ、またにして。

わたし、とりあえずピアノはやらないからね。」


「はいはい…。わかりましたよ…。」


桃はわたしに、伴奏をやらせたかったらしい。

もちろん、わたしにその気は無い。


ごめんね、桃…。


そう思いながらも、やらない。

そう決めている。

理由はただひとつ。

わたしのお父さんだったーーー。