パッシングレイン 〜 揺れる心に優しいキスを


「篤哉ったら、昔から二葉ちゃんのことになると尋常じゃいられなくなるから」


ふふふと笑う。


「……そうなの?」


どういうこと?
ドキっと高鳴った胸をひた隠し、興味のない振りをして聞き返す。


「二葉ちゃんに彼氏が出来る度に、露骨に態度に出ていたでしょう? 気づかなかったの?」


お母さんは不思議そうに首を傾げた。

そんなこと、知らない。
私の前では、いたって普通だったから。
逆に、「早く彼氏作れ」なんて言われることはあっても。


「二葉ちゃんのこと、本当に大切に思ってるみたいだから。母親としては、妹想いで嬉しいわ」


優しく微笑んだ。


「さ、二葉ちゃんは二階で休んでなさい。せっかくの誕生日に、さっきの彼と過ごせなくても我慢するのよ? その代わり、今夜は二葉ちゃんの好物ばかり用意するから」


腕をふるっちゃうわと力こぶを作ってみせると、私の背中をポンと押した。