カーテンを思い切り開け放つと、昇って間もない朝の太陽が容赦なく部屋に射し込んだ。
その眩しさに、私も一瞬だけ目を閉じる。


「部長! 起きてください!」


ベッドで布団にくるまれている部長の肩を強く揺する。


「……ん」

「部長ってば!」


思い切って毛布を引き剥がした。


「……一体何ごとだ」


寝ぼけ眼をこする部長。


「お弁当作ってきたんです。出掛けましょ」

「弁当……?」


ようやく開けてくれた瞼。
部長は大きく伸びをすると、ゆっくり起き上がった。


「出掛けるってどこへ?」


部長が眠そうに目をこする。


「あの海へ行きたいです」

「海?」


目を見開いて私を見る。
大きく頷いて、「部長が私を見つけてくれた海です」と笑って見せた。