パッシングレイン 〜 揺れる心に優しいキスを


……本当にそう?

遠くを見るように窓の外に視線を向けるから、言葉の裏を探りたくなる。
本当はどう思っているのか、本音を問いただしたくなる。
けれど、小さな期待を壊されることが怖くて、言葉を呑み込む私。


「それ飲んだら寝るんだぞ?」

「……うん」


よいしょと言って、あっくんが立ち上がる。
そして、ドアを開けてもう一度私に振り返った。


「今日はケーキ地獄だな」


いたずらを思い付いた子供みたいに笑う。


「どういうこと?」

「俺もケーキ買って来たから」

「……それって、誕生日だから?」

「当然だろ」


最後にもう一度笑みを浮かべて、あっくんはドアを閉めたのだった。