噴水の前ではたくさんの人がお喋りしたり、本を読んでいたりしていた。 「ちょっとここで涼んでから行こうか」 渚がバッグの中からハンカチを出して言う。 電車の中はクーラーがかかっていたけど満員電車だったからクーラーの意味がほぼなかった。 渚は丁寧に額の汗を拭いてからカバンの中をさぐりだして飴を3つ出した。 「あげる」 私は飴をもらう。 あおりんご味の飴。 少し空腹だったので飴玉を口に入れる。 「うっし!そろそろ行こうか!」 近くのベンチに座っていた未玖は伸びをしながら立った。