思い返せば、あたしは天狗になっていたのかもしれない。 何だかんだで諒君と結ばれて、得意げになっていたんだろう。 今日はなんて仕掛けよう。 お酒はなしにしよう。 悩みながら歩くあたし。 特に深いことは考えず、諒君の社会学部の校舎の近くにいた。 すれ違う人は、理系の農学部とは全然違う。 もっと華やかで、もっとおしゃれで。 カラフルなワンピースに高いヒール。 そして、ブランドバッグ。 メイクもばっちりだし、いい香りもする。 同じ大学生なのに…… カルチャーショックを受けた。