「え?」




あたしはぽかーんとして、諒君を見ていた。




何言ってるの?

諒君、その返事はおかしくない?





「あたし、聞いた……

沙織さんが諒君と付き合っていた。

よりを戻したいって」



「あぁ、沙織ちゃんは言ってるよね」




諒君は続ける。




「でも、それ嘘なんだ。

沙織ちゃんが昔、見栄を張るために俺を勝手に彼氏にしていたんだ。

結局その後沙織ちゃんに彼氏が出来て、俺が浮気されていたことになってる。

女の世界って複雑なんだね」




諒君は困った顔をする。





そうなんだ……

結局、諒君と沙織は付き合っていなかったんだ。

散々振り回されて、あたし、馬鹿みたい。






「それにね、やましいことは何もないんだよ?

昔数回ご飯を食べに行っただけ。

それでこの前のメールは……」




そう言って、諒君は携帯を取り出し、あたしに見せてくれる。

そこには、こんなメールのやり取りが載っていた。