私は両親がどこに居るのか分からない。


神宮寺 梓桜(しんぐうじ あずさ)。17歳。


私の両親は、産まれたばかりの私を養子にだした。


その時に私をひきとってくれた、叔父さんと叔母さんは1年前に亡くなった。


信号無視の車に引かれたと聞いた。


そして、その叔父さんと叔母さんが残してくれた、この神宮寺神社(しんぐうじじんじゃ)で私はひっそりと暮らしている。


今まで本当の娘の様に接してくれた叔父さんと叔母さんが亡くなってとても辛いけど、毎日なんとか過ごしている。


1人になったけど、自分の生き方に後悔はしたくない。


だって、一度きりの人生だもの。


世界のほとんどは、儚(はかな)い命の中で精一杯生きている。


だから、私も精一杯生きようと思う。


この命が尽きるまで────。