「あ…」 誰もいないせいで、つい声が漏れてしまった。 やっぱりいないよね。 だってもう高校生になったんだから。 そう思ったあたしだけど、すぐに家に戻ろうとは思わない。 廊下の端にある柵から一望できる風景を見渡すのであった。 「懐かしいなぁ」 ついポロッと1人で発言する。 返事がないのはわかりきっているのに。 しかしあたしに答えるかのように、突然目の前が真っ暗になった。 「え……?! なになに!?」 誰かの手によって視界が封じられたのだ。