バカなんだから、あたしの気持ちを酌(く)んでわかってよ。



するとしばらく沈黙が続く。


きっと結月は受け入れられないままなんだ。


時間が経てば、恐らくわかってくれるはず。


「じゃあね。

これがあたしの答えだから」



先に階段を下りようと、手すりを掴む。



「逃がすかよ」


その言葉と同時に、あたしの体は結月の方に預けられた。


要するに後ろからハグされている。


「あたしの気持ちわかってよ!」


その一心で、体を動かして抵抗する。