視覚が遮られたため、頼れるのは聴覚くらい。
しかし聴覚を頼りにしようにも、結月の息が耳にかかり、こそばゆくて恥ずかしい。
普通に喋ってよ…。
「俺今でもな、小さい頃にお前を滑り台から突き落としたこと、忘れられないんだ」
耳が敏感になってしまい、結月の言うことを真剣に聞いていられない。
お願いだから普通に話してよ。
…え?
あたしが一番結月を恐れる要因…。
彼の中でも印象に残るものだったんだ。
「あの時の俺は何もせずに、ただお前を滑り台から見下ろしてただろ?
それは蔑んでいた、とかそんな理由じゃない。



