無理してる。 心では辛い思いがあるはず。 そんな大斗に胸が痛くなる。 少しでも大斗の辛い思い、無くしたいと思ったのに…。 今のあたしは行き先を失ったエレベーターで、結月と2人っきり。 彼はあたしを引っ張ってから、抱きしめている。 顔が見えないため何を考えているかわからない。 「わかっただろ。 大斗がどう思っているのか。 もうアイツのことなんか考えるな」 優しい声色があたしの耳を通る。