胸がドキドキしてる。 ガチャとドアが音を立てて開く。 しかし大斗はチェーンを外してなかった。 「風邪引いたって母さんから聞いたけど、大丈夫? ちゃんと食べてる? 鍋作りに来たよ」 「俺の母さん通じて聞いたこと? それ、ただ単に母さんが大げさに言っただけ。 俺は平気だから」 どことなくあたしを拒否してるね、大斗は。 でも確かにあたしは大斗が風邪を引いてることが本当なのか知らない。 「だけどうちの母さんに言われたことだし。 大斗の母さんもあたしが台所使うこと、オーケーしたんだから。