あたしが渡されたのは、野菜が切られたものが入ったタッパー。
不思議な顔をしていると、説明してくれる母さん。
「それで星川さんの所で鍋作っちゃって。
星川さんも良いって言ってるし、風邪引き用の鍋なんて簡単だから。
これ入れて、あと煮こむだけだから……」
それから母さんの説明が終わったら、エレベーターに乗って大斗の家に向かう。
って、来ちゃったのはいいけど…。
料理していいものなの?
そりゃ大斗の母さんがいいって言うなら、あたしはやるけどさ…。
大斗が嫌だよ、きっと。
心の中で色々言ってもどうしようもない。
あたしはしっかりと心の準備をすると、大斗の家の呼び鈴を鳴らした。



