あたしは髪の毛乾かしたいんだけど…」 と言い出すと、小夜は洗面所の方に向かおうと、体の向きを変える。 「アイツだけはやめとけ!」 俺はつい駆られた衝動に任せて口走った。 「アイツって? ……どうして?」 俺の真剣なトーンに、重々しく受け止められた結果、相手も同じように返してくる。 「大斗はやめとけ。 アイツは……」 本当のことが言えるわけがない。 何をしでかすかもわからないのに。 大斗は口ごもるタイプで、自分の思いを言い表すことは少ない。