瞬間、まるでガラスが割れたかのような「パリンッ」と言う大きな音が響いた。


光が見える。


化け物の中から解き放たれたんだと分かった。

前にいるのは、私を見下ろしている白。
地面はかなりの水浸しで。


(白が、水の力を使った…?)


「簡単に、心を許すからこうなる。」


しゃがんで、静かにお説教される。
だけど少しだけ嬉しかったのは、

私の髪に口付けを落とす白が「無事で何よりだ。」と呟いた事。


いつも冷静で静かな彼が、私を心配して少しだけ焦る姿が何だか好きだ。


たまに、こういう風に焦らせるのも悪くないかも知れないと思った。


「あまり調子に乗るなよ。」


(こ、怖いよぉ…)

焦らせるの悪くないとか思ったけど前言撤回します…!!