「すごい……」
そして思わずそう呟いた。
入学当初から藤吉さんは美術部のエースとして活動していたため、あらゆる場面でその絵を見る事があった。
学校の行事ポスターや、プリントの端などに彼女の絵は度々使われていたのだ。
しかし、今目の前にある風景画は今まで彼女が描いて来たものとは比べ物にならないレベルのものだった。
素人のあたしが見てもわかるほど、その画力は格段に上がっていた。
「どう?」
キリがいいところまで書けたのか、藤吉さんは一旦手を止めてそう聞いて来た。
「すごい……」
あたしはまた同じ言葉を繰り返した。
それしか、口に出せる言葉がなかったからだ。
藤吉さんは手首を隠すように両手にサポーターをはめて、満足そうに自分の絵と風景を見比べている。
「おはよう」
そんな声が聞こえてきて、藤吉さんとあたしは同時に振り向いた。
ドアから入ってきたのはエレナだ。
エレナはとても疲れた顔をしていて、全く眠れなかったのだろということが伺えた。
「エレナ、大丈夫?」
「うん……」
エレナは曖昧に頷き、そして窓際の藤吉さんへ視線を向けた。
そして思わずそう呟いた。
入学当初から藤吉さんは美術部のエースとして活動していたため、あらゆる場面でその絵を見る事があった。
学校の行事ポスターや、プリントの端などに彼女の絵は度々使われていたのだ。
しかし、今目の前にある風景画は今まで彼女が描いて来たものとは比べ物にならないレベルのものだった。
素人のあたしが見てもわかるほど、その画力は格段に上がっていた。
「どう?」
キリがいいところまで書けたのか、藤吉さんは一旦手を止めてそう聞いて来た。
「すごい……」
あたしはまた同じ言葉を繰り返した。
それしか、口に出せる言葉がなかったからだ。
藤吉さんは手首を隠すように両手にサポーターをはめて、満足そうに自分の絵と風景を見比べている。
「おはよう」
そんな声が聞こえてきて、藤吉さんとあたしは同時に振り向いた。
ドアから入ってきたのはエレナだ。
エレナはとても疲れた顔をしていて、全く眠れなかったのだろということが伺えた。
「エレナ、大丈夫?」
「うん……」
エレナは曖昧に頷き、そして窓際の藤吉さんへ視線を向けた。