オークション

☆☆☆

職員室に連れてこられたあたしは必死で自分が北川藍那である事を説明した。


家族構成や、学校の成績。


仲の良い友達や、マラソンでの事。


しかし、顔が違うあたしを先生は信用してくれなかった。


いくら自分自身の情報を口にしても、それは自分の立場を悪くしていくだけだった。


家に電話をしても、休んでいるはずの北川藍那は電話に出ない。


そしてあたしは鞄も服もすべて北川藍那のものを使用している。


それだけで十分、事件性を問われることだった。


「お……親に連絡してください!」


一か八か、あたしはそう言っていた。


両親ならあたしがあたしであると理解してくれるはずだ。


昨日まで一緒にいたんだ。


きっとわかってくれる。


あたしの小さな癖とか、口癖とか、そういう所に気が付いて証明してくれる!


そう……思ったけれど……。


「うちの藍那じゃありません」


仕事を途中で抜けて来たお母さんが、あたしを見るなりそう言ったのだ。


あたしは愕然としてお母さんを見ていた。