オークション

「その鏡、藍那のじゃん!」


エレナがあたしの持っている鏡に気が付いて大きな声を出した。


あたしは咄嗟に鏡を鞄にしまい込んだ。


サッと血の気が引いていくのがわかる。


「その鞄も北川さんのじゃないの? ちょっとあなたどういう事!?」


委員長が大股で歩いてきてあたしの鞄を強引に取り上げた。


そして、机の上にあたしの荷物をぶちまける。


当然の事だけれど、どれもこれも北川藍那の私物だ。


「どういう事?」


「誰あの子……」


「北川さんはどうなったの?」


あちこちからそんな声が聞こえて来る。


「ち、違うの! あたしが北川藍那なの!」


そう言っても、クラスメートには通じない。


「先生、北川さんの家に連絡を入れた方がいいと思います」


「あ、あぁ。そうだな。君、一緒に職員室まで来なさい」


唖然として立ち尽くしていた先生は委員長の言葉に我に返ると、あたしの手を掴んで教室を出たのだった……。