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そして翌日。


あたしはリリビングを歩く人の足音で目が覚めた。


「藍那、調子はどうだ?」


目が開いた瞬間お父さんからそう声をかけられて、あたしは首を動かした。


少し痛みを感じるが、もう普通に動かす事ができるようだ。


「もう大丈夫みたい」


「そうか。打ち所が良かったって、病院の先生も言ってたからな」


お父さんはホッとしたように表情を柔らかくしてそう言った。


「でも、今日は学校を休むんだぞ?」


「わかってる」


あたしはお父さんへ向けてそう返事をし、ほほ笑んだのだった。