なんだかんだ行ってみても、人間は異性を外見で判断する時も多くある。


特に女性の場合は美しさがあるのとないのではおお違いだ。


沢山の異性に好かれて生きるのと、ほとんど異性に声をかけられずに生きるのと、全く違う人生になるだろう。


今のあたしはどっちなんだろう?


あたしは手鏡を取り出して自分の顔を確認した。


別に不細工ではないと思う。


だけど特別可愛いわけでもない。


特徴のない、能面顔。


そう言うのが一番ふさわしい気がした。


あたしは鏡をしまい、鞄を手に取って席を立った。


「どうしたの?」


「ごめん。今日これから大事な練習があるのを忘れてた!」


あたしは慌てた様子を装って友人たちへ向けてそう言った。


「えぇ? マラソンの練習?」


「それなら早く行かなきゃ!」


「先生にはあたしたちから言っておくから」


「ごめんねみんな!」


あたしはみんなに手を振り、足早に教室を出たのだった。