「なぁ、藍那」


食べ終わると同時に名前を呼ばれ、ドキッとする。


「なに……?」


「これ、お前の事なのか?」


そう聞きながらスマホの画面を見せられる。


光に反射して見えにくい画面に、あたしはグッと顔を近づけた。


するとそこには彫刻のオークション画面が表示されていた。


「これ……なんで?」


あたしは輝夜を見る。


「偶然サイトでこのオークションサイトの事が書かれているのを見たんだ。みんなはこれをお前が作ったと思ってる」


「そう……」


実際にその通りだし、ネット上でそれを拡散したのもあたし自身だ。


「なぁ、これ本当にお前が作ったのか?」


どうしてだろう。


輝夜はとても不安そうな顔をしている。


あたしに他の才能があるというこが、嫌なのだろうか。


「そうだよ。これはあたしが作った」


「本当かよ……」


輝夜は唖然としたような顔であたしを見た。


どうしてそんな反応をするの?