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学校のある日は放課後になっても報道陣の姿が待ち構えていた。


あたしは先生と一緒にこっそり裏門から出て、細い裏路地を走って帰るのだ。


「じゃぁ先生、また明日」


「あぁ。気を付けて帰れよ」


先生にそう言われあたしは軽く会釈をして走り出した。


普段あまり走らない場所を走っていると、色々なものが目に入る。


ちょっとした四季の変化だったり、最近たてられたばかりの新しいお店だったり。


あたしはそれらを感じながら走るのも好きだった。


誰かの為でもなく、トレーニングでもなく、好きなことを好きなようにする。


それが一番好きな時間だった。


青い葉っぱを眺めながら走っていると、ポケットの中でスマホが震えてあたしは歩調を緩めた。


スマホを取り出して確認すると、メールが届いている事を知らせていた。


そして、あたしの足は完全に止まっていた。


『特別会員様』


そう書かれた文面にドクンッと大きく心臓が跳ねるのを感じた。


オークションメールだ……！


その瞬間、強い風が吹き抜けていき若葉を大きく揺らした。


あたしはそんなもの目にもとめず、メール画面を読み進めた。