今年は、確か2週間後に開催される予定だ。


「今年のマンマルマラソンに参加するにはどうしたらいいですか?」


「ちょっと待って。今年のマンマルマラソンに参加する気?」


「もちろんです」


あたしは大きく頷いた。


1位を取ることが難しくても、上位に食い込む自身はあった。


それに、マンマルマラソンは誰でも自由参加のはずだ。


先生は困ったように頭をかき、そして「ちょっと待ってて」と言うと、校舎の方へと走って行った。


その後ろ姿を見送り、一千万という大金を思い浮かべる。


今まで一度も手にしたことのない大金が手に入るかもしれないのだ。


あたしはその場で軽くジャンプをした。


2位でも3位でも、きっと全額返済できるだけの賞金は入るだろう。


でも、目指すなら1位だ。


そう決めて、あたしはトラックを走り始めたのだった。