午後の授業は体育だった。


昼食を取った後の体育の授業はみんなやる気がでなくて、体操着に着替えるだけで動きは鈍い。


あたしも先生に言われた事をダラダラと行うだけだったけれど、今日はウォーミングアップから全力で行っていた。


なぜだか、体を動かしたくて仕方がないのだ。


できればグラウンドを走りたい。


そんな衝動が込み上げてくる。


「藍那、今日はなんか張り切ってるね?」


エレナにそう声をかけられて、一瞬ドキッとする。


しかし笑顔で「そうかな?」と、首を傾げておいた。


「みんな背の順に並んで! 今日は長距離走するよー!!」


先生のそんな声が聞こえてきた途端、生徒の大半からはブーイングの声が漏れた。


背の順で前半後半に別れ、20分でトラックを何周走れたかを図るのだ。


エレナとあたしの身長は丁度クラスの真ん中くらいだったので、あたしが前半、エレナが後半という形で別れることになった。


「頑張ってね」


あたしの記録を取ってくれるエレナがそう声をかけて来る。


あたしは笑顔で手を振った。


走れる!!


そのことで頭は一杯だ。