その瞬間、あたしは自分の足の付け根がうずくのを感じた。


「本物の才能を手に入れたなら、本気で頑張らないとダメになるよ」


藤吉さんはあたしの足へ視線を向けてそう言った。


「え……?」


「忠告したまで」


藤吉さんはそう言うと、トイレを出たのだった。